夜中に天井裏からドタドタという足音が聞こえてきて、眠れない夜を過ごしていませんか。屋根裏に何かが棲みついている気配があると、不安や恐怖で気が休まらないものです。とくにハクビシンは住宅地でも被害が拡大している野生動物であり、放置すると糞尿の悪臭・天井のシミ・建材の腐食・寄生虫やダニの繁殖など、深刻な二次被害につながります。
とはいえ、いざ追い出そうとしても「自分でやって大丈夫なのか」「法律違反にならないか」「どんな道具を使えば効果があるのか」と迷ってしまいますよね。鳥獣保護法という法律の縛りもあり、闇雲に駆除すると思わぬトラブルを招くこともあるでしょう。
この記事では、ハクビシンが棲みついているサインの見分け方から、感染症など健康被害のリスクと対策、自分でできる安全な追い出し方5選、再侵入を防ぐ封鎖・予防策、DIYと業者依頼の判断基準、業者に依頼する場合の費用相場までを体系的に解説します。家族やペットの健康を守りながら、安心して眠れる毎日を取り戻すための実践ガイドとしてご活用ください。
ハクビシンが棲みついているサインを確認しよう
追い出し作業に入る前に、まず本当にハクビシンが棲みついているのかを確認することが大切です。ネズミやイタチ、アライグマなど他の害獣と被害の特徴が似ているため、誤った対処をすると効果が出ません。
ハクビシンは夜行性で、日中は屋根裏や床下に潜んで静かにしていることが多い動物です。そのため、生活音や痕跡から間接的に存在を判断する必要があるでしょう。次の3つのサインをチェックしてみてください。
天井裏からの足音や鳴き声
ハクビシンは体長90〜110cm前後、体重3〜4kgほどある中型の哺乳類です。ネズミとは比べものにならない重量があるため、天井裏を歩く音は「ドタドタ」「ドスン」と重く響きます。とくに夕方から深夜、明け方にかけて活動が活発になり、足音や物を引きずる音が聞こえやすくなるでしょう。
鳴き声にもいくつか特徴があります。代表的な鳴き方は次のとおりです。
- 「キューキュー」と高めの声で鳴く(子ども同士のコミュニケーション)
- 「ガウガウ」「グルル」と低く唸る(威嚇・縄張り争い)
- 「キーキー」と金切り声をあげる(驚いたとき)
こうした音が連日同じ時間帯に聞こえる場合、巣として利用されている可能性が高いといえます。スマートフォンで録音しておくと、後で業者に相談する際の判断材料にもなるでしょう。
獣臭・糞尿のニオイ
ハクビシンは「ためフン」と呼ばれる習性を持ち、同じ場所に繰り返し排泄します。そのため、巣の近くには大量の糞尿が蓄積し、強烈なアンモニア臭や獣臭が発生するのが特徴です。天井に茶色や黒っぽいシミが広がっていたり、部屋にいるとツンとした刺激臭を感じたりする場合は要注意でしょう。
糞は直径2〜3cm、長さ5〜15cm程度の細長い形状で、果物の種が混じっていることが多くあります。これはハクビシンが果実を好んで食べるためで、ネズミの糞(米粒大)やイタチの糞(細長く水分が少ない)との大きな違いといえます。
なお、糞尿には病原菌や寄生虫が含まれている可能性があり、素手で触れたり吸い込んだりすると感染症のリスクがあります。確認する際は必ずマスクと使い捨て手袋を着用してください。
庭や家庭菜園の荒らされ跡
屋根裏だけでなく、屋外の被害状況もハクビシンを特定する手がかりになります。とくに家庭菜園や果樹がある住宅では、夜間に荒らされる被害が頻発しているでしょう。チェックしたいポイントは以下のとおりです。
- 柿・ブドウ・トマト・スイカなど甘い果実が食い荒らされている
- 畑に5本指の足跡が残っている(手のひらのような独特の形)
- 生ゴミの袋が破られている
- 庭木の枝が折れていたり、雨どいに泥や毛が付着している
ハクビシンは木登りが得意で、電線や雨どいを伝って家屋に侵入します。庭の被害と屋根裏の物音が同時期に始まった場合、同一個体が活動している可能性が非常に高いといえるでしょう。
ハクビシンによる健康被害と感染症リスク
ハクビシン対策で見落とされがちなのが、健康被害の深刻さです。野生動物である以上、ハクビシンの体や糞尿にはさまざまな病原体・寄生虫が付着している可能性があります。家族の健康を守るためにも、具体的なリスクと対策を理解しておきましょう。
感染症リスクの具体例
ハクビシンが媒介する可能性のある主な感染症には、次のようなものが報告されています。
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群):マダニを介して感染するウイルス性疾患。発熱・嘔吐・下痢を伴い、致死率が10〜30%とされる重篤な感染症
- レプトスピラ症:糞尿に汚染された水や土から経皮・経口感染。発熱・筋肉痛・腎障害を引き起こす
- サルモネラ症:糞便を介して感染し、激しい腹痛・下痢・発熱を伴う食中毒
- E型肝炎:糞口感染で広がる肝炎ウイルス。倦怠感や黄疸が主症状
- 疥癬(かいせん):ヒゼンダニによる皮膚疾患。激しいかゆみと発疹を起こす
とくに乾燥した糞が屋根裏で粉塵化し、それが室内の通気を通じて吸い込まれると、呼吸器症状やアレルギーを引き起こすことがあります。小さなお子さま・高齢者・基礎疾患のある方がいるご家庭では、被害が深刻化しやすい点に注意が必要でしょう。
ダニ・ノミ・寄生虫による二次被害
ハクビシンの体毛には、マダニ・イエダニ・ノミといった外部寄生虫が付着していることがほとんどです。ハクビシンが屋根裏から去った後も、これらの寄生虫が家屋に残り、人やペットに移ってしまうケースが少なくありません。
具体的な二次被害として、以下のような症状が報告されています。
- 就寝中に原因不明のかゆみ・赤い発疹が出る
- ペットが頻繁に体をかく・脱毛が見られる
- 布団やソファに小さな虫が湧く
- マダニ媒介の感染症(日本紅斑熱・ライム病)にかかる
ハクビシンを追い出した後、これらの症状が続く場合は、家屋全体のバルサン処理やプロによる燻蒸消毒を検討してください。
感染症を防ぐための基本対策
健康被害を最小限に抑えるには、ハクビシンと直接接触しないこと、糞尿を適切に処理することが基本です。日常生活で実践したい対策を整理しておきます。
- 屋根裏や床下に入る際は必ず防護具(マスク・手袋・長袖長ズボン・ゴーグル)を着用
- 糞尿は乾燥前に湿らせてから回収し、粉塵の飛散を防ぐ
- 清掃後は次亜塩素酸ナトリウムやエタノールで消毒
- 作業着はすぐに分けて洗濯し、本人もシャワーで全身を洗う
- ペットには定期的にダニ・ノミ予防薬を投与する
- 体調不良を感じたら早めに医療機関を受診し、ハクビシン接触歴を伝える
感染症は潜伏期間があるため、作業から数週間以内に発熱や皮膚症状が出た場合は、自己判断せず受診することが重要です。
ハクビシンを追い出す前に知っておくべき注意点
サインを確認できたら、すぐに追い出し作業に入りたくなりますよね。しかし、その前に必ず押さえておきたい法律と時期の注意点があります。これを知らずに行動すると、せっかくの努力が無駄になるどころか、罰則を受けることもあるため十分に理解しておきましょう。
鳥獣保護法で捕獲・殺傷は禁止
ハクビシンは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(通称:鳥獣保護法)の対象動物です。許可なく捕獲・殺傷した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。たとえ自宅に侵入された被害者であっても、勝手にワナで捕まえたり、毒餌で殺したりすることは認められません。
合法的に対処するための選択肢は次の3つです。
- 追い払う(忌避剤・光・音などで自主的に出て行かせる)
- 自治体に有害鳥獣捕獲の許可を申請する
- 許可を持つ専門業者に依頼する
個人で「追い払う」行為は法律違反になりません。本記事で紹介する忌避剤や光・音を使った方法は、すべて合法的に実施できる手段ですので安心して取り組んでいただけます。なお、捕獲を伴う場合は必ず自治体の窓口で相談し、書類で許可を得てから行動してください。
繁殖期(春・秋)は特に慎重に対処
ハクビシンの繁殖期は春(4〜6月)と秋(9〜11月)の年2回が中心で、出産後は子育てが行われます。妊娠期間は約2か月、1回の出産で2〜3頭の子どもを産むのが一般的です。
この時期に親だけを追い出してしまうと、屋根裏に子どもが取り残されてしまうリスクがあります。子どもが衰弱して死亡すると、強烈な腐敗臭が天井裏に充満し、ウジ虫やハエが大量発生するという二次被害に発展しかねません。
繁殖期に追い出しを検討する場合のチェックポイントを挙げておきます。
- 複数の鳴き声(特に高い「キューキュー」音)が聞こえる場合は子育て中の可能性が高い
- 子育て期は親が頻繁に出入りするため、侵入経路の特定がしやすい反面、母親が攻撃的になりやすい
- 不安がある場合は無理せず業者に判断を委ねるのが安全
自分でできるハクビシンの追い出し方5選
ここからは、合法かつ実践的な追い出し方法を5つご紹介します。1つだけで効果が出ないこともあるため、複数を組み合わせて使うのがコツです。ハクビシンは賢く警戒心が強い反面、慣れてしまうと効果が薄れる性質もあるため、定期的に方法を変えるとよいでしょう。
忌避剤(くん煙剤・木酢液)を使う
もっとも手軽で効果が高いのが忌避剤の利用です。市販されているハクビシン専用のくん煙剤を屋根裏で焚くと、煙とニオイが充満し、ハクビシンが嫌がって外へ逃げ出します。ホームセンターやインターネット通販で1,000〜3,000円程度で購入でき、6畳の屋根裏なら1〜2個でカバーできるでしょう。
木酢液や竹酢液も古くから使われている自然派の忌避剤として知られています。焦げたような独特の匂いがハクビシンの嫌う山火事を連想させるとされ、ペットボトルに入れて屋根裏や床下に設置するだけで効果が期待できるでしょう。
使用時の手順は次のとおりです。
- 屋根裏の出入り口(点検口)を確認し、ハクビシンの逃げ道を確保する
- 夕方〜夜の活動開始前の時間帯にくん煙剤を焚く
- 使用後数日間は侵入経路を塞がず、完全に出て行ったか確認する
- 2〜3日空けて再度実施し、戻ってきていないかチェックする
強い光やLEDライトで威嚇する
ハクビシンは夜行性のため、強い光を嫌う性質があります。屋根裏や床下に常時点灯のLEDライトや人感センサー付きライトを設置すると、安心できる暗所ではなくなり、自主的に出て行く可能性が高まるでしょう。
とくに点滅するストロボライトや、青色LEDのフラッシュタイプは威嚇効果が高いとされる方式。電池式・ソーラー式のものなら配線工事も不要で、3,000〜5,000円程度から導入可能です。
注意点として、光の効果はハクビシンが慣れてしまうと弱まります。設置場所を数日おきに変える、点滅パターンが異なる複数の機器を使うなど、変化をつける工夫が欠かせません。屋外でも、庭の出入りしそうな場所にセンサーライトを置くことで、敷地内への侵入そのものを抑制できるでしょう。
大きな音・超音波で追い払う
聴覚に訴えるアプローチも有効です。ハクビシンは警戒心が強く、突然の大きな音や不規則な音に強いストレスを感じます。ラジオを屋根裏で流しっぱなしにする、金属製のものを叩いて音を出すといった単純な方法でも、一定の効果が期待できるでしょう。
より本格的な対策としては、害獣用の超音波発生器がおすすめです。人間にはほとんど聞こえない高周波音を発し、害獣だけに不快感を与えるため、生活への影響を抑えながら24時間稼働させられるのが利点。価格は2,000〜8,000円程度が相場でしょう。
ただし、超音波は壁や家具に遮られると届きにくいという弱点があります。屋根裏全体に効果を行き渡らせるには、複数台の設置や設置位置の調整が必要になることも覚えておいてください。
ニオイの強いもの(ハッカ油・唐辛子)を設置
嗅覚が鋭いハクビシンに対しては、刺激臭を放つアイテムも効果的です。手軽に試せる素材には以下のようなものがあります。
- ハッカ油(コットンに数滴垂らして屋根裏に配置)
- 唐辛子(粉末を撒く・乾燥唐辛子を吊るす)
- ニンニク(すりおろして容器に入れる)
- 石油系の匂い(ただし火災リスクがあるため非推奨)
ハッカ油は薬局やアロマショップで1,000円前後で購入でき、消臭効果も兼ね備えているため一石二鳥といえます。唐辛子はカプサイシンの刺激がハクビシンの粘膜を不快にさせ、寄り付きを防ぐ効果があるとされる素材です。
これらの天然素材は揮発性が高く、効果が1〜2週間で薄れます。定期的に交換することと、雨や湿気で流れない場所に設置することがポイント。ペットを飼っているご家庭では、犬や猫が触れない場所に設置するよう注意してください。
屋根裏の環境を住みにくくする
直接的な刺激と並行して、「居心地の悪い空間」を作ることも長期的な追い出しに有効です。具体的には次のような環境改善が挙げられます。
- 断熱材を整理し、巣材になりそうな柔らかい素材を撤去する
- 換気を良くして温度・湿度を一定に保てない状態にする
- 定期的に屋根裏に人が出入りし、安全な場所ではないと認識させる
ハクビシンは静かで暖かく、人の気配がない場所を好みます。逆にいえば、こうした条件を崩すだけで巣として選ばれにくくなるわけです。週に1〜2回、懐中電灯を持って屋根裏を巡回するだけでも警戒させる効果が期待できるでしょう。
追い出した後の再侵入を防ぐ封鎖・予防策
無事に追い出せても、それで終わりではありません。ハクビシンは縄張り意識が強く、一度棲みついた場所には何度も戻ってこようとします。再侵入を防ぐためには、物理的な封鎖と環境整備の両面から対策を講じる必要があるでしょう。
侵入経路を特定して塞ぐ
ハクビシンはわずか8〜10cm四方の隙間があれば侵入できるといわれます。再侵入を防ぐには、まず家屋全体を点検して侵入経路を特定し、確実に塞ぐことが最優先。よくある侵入箇所は以下のとおりです。
- 屋根の隙間・破風板の隙間
- 軒下や換気口
- 壁と基礎の境目
- エアコン配管の貫通部
- 戸袋や雨戸の裏
封鎖には金網(パンチングメタル)・モルタル・パテ・防獣ネットなどを使用します。木材や段ボールなど噛み破られやすい素材は避けてください。
作業のタイミングも重要なポイントです。ハクビシンが完全に出て行ったことを確認してから封鎖しないと、内部に閉じ込めてしまい、最悪のケースでは餓死による腐敗臭被害が発生します。数日間は1か所だけ開けておき、出入りの痕跡がなくなったことを確かめてから最終封鎖を行いましょう。
庭木の剪定と餌になるものの撤去
家屋への接近を防ぐには、外部環境の整備も欠かせません。ハクビシンの行動範囲を狭める対策として、次の3点に取り組んでみてください。
- 屋根に届く庭木の枝を剪定し、足場をなくす
- 果樹のネットがけや早めの収穫を徹底する
- 生ゴミは蓋付き容器に入れ、ペットフードを屋外に放置しない
とくに柿や枇杷などの果樹はハクビシンを呼び寄せる大きな要因になります。収穫しない果実が地面に落ちて放置されている状態は格好の餌場となるため、こまめに片付けることが大切でしょう。コンポストを設置している場合も、しっかり蓋を閉めて匂いが漏れないよう管理してください。
糞尿の清掃と消毒の方法
ハクビシンが残した糞尿は、前述したSFTSやレプトスピラ症などの感染症を引き起こす病原体を含む可能性があります。また、糞に潜むダニやノミが室内に侵入すると、別の健康被害につながりかねません。清掃は必ず以下の手順で行いましょう。
- マスク(できればN95規格)・使い捨て手袋・長袖長ズボン・ゴーグルを着用する
- 糞をビニール袋に入れ、密閉して可燃ゴミとして処分する
- 清掃後の床面にエタノールや次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)を散布し消毒する
- 断熱材が汚染されている場合は撤去・交換を検討する
- 作業に使った衣類はすぐに洗濯し、シャワーで体を洗う
断熱材まで糞尿が染み込んでいるケースでは、自力清掃では対応しきれないこともあります。被害範囲が広い場合は、無理せず専門業者の清掃サービスを利用するのが安全策といえるでしょう。
DIYで対処すべきか業者に依頼すべきかの判断基準
ハクビシン対策で多くの方が悩むのが、「自分で対処するか、最初からプロに任せるか」という判断です。費用を抑えたいならDIY、確実性を重視するなら業者という単純な話ではなく、被害の状況や住環境によって最適解は変わります。
DIYで対処できるケース
以下の条件にすべて当てはまる場合は、自力での追い出しを試みる価値があります。
- 侵入から日が浅く、糞尿の蓄積が少ない
- 屋根裏に安全に上がれる(点検口があり、足場板が整っている)
- 侵入経路が1〜2か所に特定できている
- 繁殖期ではない、または子どもの鳴き声がない
- 家族にアレルギーや基礎疾患を持つ人がいない
- 2階建て以下で高所作業のリスクが低い
初期段階であれば、市販のくん煙剤と金網による封鎖だけで5,000〜2万円ほどの実費で解決できることもあるでしょう。費用を抑えたい場合は、まずDIYから着手するのも合理的な判断です。
業者に依頼すべきケース
一方、次のような状況では迷わず専門業者へ相談することをおすすめします。
- 糞尿によるシミが天井に広範囲に広がっている
- 悪臭が居住空間まで漏れ出している
- 繁殖期で子どもの鳴き声が聞こえる
- 侵入経路が複数あり特定が困難
- 3階建て以上や急勾配の屋根で高所作業が危険
- 過去にDIYで対処したが再発した
- 賃貸物件で勝手に作業できない
- 家族に高齢者・乳幼児・基礎疾患のある人がいる
とくに高所作業中の転落事故は毎年報告されており、命に関わるリスクは費用と引き換えにできません。無理をして悪化させるくらいなら、最初からプロに任せたほうが結果的に安く済むこともあるでしょう。
判断に迷ったときのセルフチェック
「自分のケースはどちらだろう」と判断に迷う場合、次の5項目で自己採点してみてください。
- 被害発覚から1か月以内か(はい=DIY向き/いいえ=業者向き)
- 糞尿の量はバケツ1杯未満か(はい=DIY向き/いいえ=業者向き)
- 侵入経路を目視で1か所に特定できているか
- 屋根裏に1人で安全に上がれる構造か
- 3日間連続で作業時間を確保できるか
3つ以上「いいえ」が付いた場合は、業者への依頼を前向きに検討すべきタイミングといえます。多くの業者は現地調査・見積もりを無料で行っているため、まずは状況を見てもらうだけでも判断材料が増えるでしょう。
専門業者に依頼する場合の費用相場と選び方
専門業者への依頼を決めた場合、次に気になるのが費用です。ハクビシン駆除は内容や被害規模で価格が大きく変動するため、相場感を持って業者を比較することが失敗を防ぐカギとなります。
作業内容別の費用相場
ハクビシン対策で発生する主な作業と、それぞれの費用目安は以下のとおりです。
- 現地調査・見積もり:0円(無料が一般的)〜1万円
- 追い出し作業のみ:3万〜8万円
- 侵入経路の封鎖(1か所あたり):5,000〜2万円
- 糞尿清掃・消毒:3万〜10万円
- 断熱材撤去・交換:5万〜30万円
- 天井の張り替え補修:5万〜20万円
- 再発防止保証付きフルパッケージ:15万〜50万円
被害状況別の総額目安としては、軽度(追い出しのみ・小規模住宅)で3万〜8万円、中度(追い出し+侵入経路封鎖)で8万〜20万円、重度(糞尿清掃・断熱材交換含む)で20万〜50万円以上となるケースが多く見られます。
火災保険の「破損・汚損補償」や「建物外部からの物体の落下・飛来による損害」が適用される場合もあるため、契約内容を確認してみるとよいでしょう。保険適用が認められれば自己負担を大幅に減らせる可能性があります。
業者依頼のメリット
専門業者に依頼する具体的なメリットは次のとおりです。
- 鳥獣保護法に基づく適正な手続きで対応してくれる
- 侵入経路の調査・封鎖まで一貫して任せられる
- 糞尿清掃・消毒・除菌作業もプロ仕様で実施
- 断熱材交換や天井補修まで対応する業者もある
- 再発時の保証制度がある業者なら安心感が高い
とくに保証制度は重要なポイントといえるでしょう。1〜5年の再発保証がついていれば、万が一再侵入されても無償で対応してもらえます。自力で何度も失敗を繰り返すより、結果的に時間も費用も節約できることが多いものです。
信頼できる業者の選び方
業者選びで失敗しないためのチェックポイントを挙げておきます。
- 建設業許可・産業廃棄物収集運搬業の許可を持っている
- 現地調査と見積もりが無料かつ明朗会計
- 作業内容を書面で提示してくれる
- アフター保証の期間と条件が明確
- 口コミや実績件数が公開されている
- 強引な契約を迫らない
見積もりは必ず3社以上から取り、内訳を比較することが重要です。極端に安い業者は追加料金が発生したり、作業が不十分だったりするリスクがあるため、価格だけでなくサービス内容を総合的に判断してください。
訪問販売や電話営業で「今すぐ契約しないと危険」などと不安を煽る業者には注意が必要でしょう。冷静に複数社を比較し、納得できる説明をしてくれる業者を選びたいところ。自治体の消費生活センターに相談できる窓口もあるため、判断に迷ったら活用してみてください。
まとめ:今日から始めるハクビシン対策チェックリスト
ハクビシンの追い出しは、サインの確認・健康リスクの理解・法律の遵守・適切な手段の選択・再侵入防止という5つのステップで進めるのが基本です。夜中の足音・獣臭・庭の被害といったサインから棲息を確認し、鳥獣保護法を踏まえて「追い払う」アプローチに徹することが安全な解決への第一歩となります。
自分で取り組む場合の優先アクションを整理しておきましょう。
- 屋根裏や床下を点検し、糞・足跡・ニオイの有無を確認する
- 繁殖期かどうかをチェックし、子どもの鳴き声があれば慎重に判断
- マスク・手袋・ゴーグルなど防護具を準備し感染症リスクに備える
- くん煙剤・光・音・ハッカ油など複数の忌避策を組み合わせて実施
- 完全に出たことを確認してから侵入経路を金網などで封鎖
- 糞尿は防護具を着用して清掃・消毒
- 庭木の剪定と餌になるものの撤去で外部環境を整える
避けるべきNG行動も覚えておいてください。素手で糞に触れる、毒餌や罠で勝手に駆除する、子どもがいる状態で経路を塞ぐ、木材や段ボールで簡易封鎖する——これらは法律違反や二次被害を招く危険な対応です。
被害が広範囲に及んでいたり、高所作業に不安があったりする場合は、専門業者の力を借りるのが賢明な選択といえるでしょう。家族とペットの健康、そして安心して眠れる夜を取り戻すために、今日できる小さな一歩から始めてみてください。
ハクビシンの追い出しに関するよくある質問
Q1. ハクビシンを追い出すのにどれくらいの期間がかかりますか?
個体の警戒心や巣の規模によって異なりますが、一般的には数日〜2週間程度が目安となります。忌避剤・光・音を組み合わせて連日対策を続けることで効果が高まるでしょう。
ただし、繁殖期で子育て中の場合は親が子どもを連れて出るまで時間がかかり、1か月以上要するケースもあります。焦って封鎖すると閉じ込めのリスクがあるため、痕跡が完全に消えるまで根気強く取り組むことが重要です。
Q2. ハクビシンの糞尿による健康被害にはどんなものがありますか?
ハクビシンの糞尿には病原菌・寄生虫・ダニ・ノミなどが含まれている可能性があり、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)やレプトスピラ症、サルモネラ症、E型肝炎、疥癬などの感染症リスクが指摘されています。乾燥した糞が粉塵として舞い上がり、吸い込むことで呼吸器症状を引き起こすこともあるため注意が必要でしょう。
とくに小さなお子さまや高齢者、ペットがいるご家庭では深刻化しやすいため、清掃時は必ずマスク・手袋・ゴーグルを着用してください。
Q3. 賃貸住宅でハクビシン被害が出た場合、費用は誰が負担しますか?
原則として、建物の管理責任は大家・管理会社にあるため、駆除費用は貸主負担となるケースが一般的です。被害に気づいたらまず管理会社へ連絡し、自己判断で業者に依頼する前に相談してください。
ただし、入居者の過失(窓を開けっ放しにしていたなど)が原因と判断された場合は、入居者負担になることもあります。被害状況の写真や音声を記録しておくと、交渉時の証拠として役立つでしょう。
